小川ひろよ
This Happy Madness
What should I call this happy madness
that I feel inside of me
Sometime of wild October gladness
that I never thought I'd see
What has become of all my sadness
all my endless lonely sighs
Where are my sorrows now
What happened to the frown
and is that self contented clown
Standing grinning in the mirror really me
I'd like to run through Central Park
carve your initials in the bark
Of every tree I pass for every one to see
I feel that I've gone back to childhood
and I'm skipping through the wildwood
So excited that I don't know what to do
What do I care if I'm a juvenile
I smile my secret little smile
Because I know the change in me is you
What should I call this happy madness
all this unexpected joy
That turned the world into a baby's bouncing toy
The god's are laughing far above
one of them gave a little shove
And I fell gaily gladly madly into love
1958年(Antonio Carlos Jobim / Gene Lees )

〈ちょっと ひとり言〉
今から何年も前、この曲を初めて聴いたのはPinky Winters の歌声でした。
アメリカのジャズヴォーカリストで1950年代からプロとして活躍しています。
ですが、それが生の歌声だったのか?CDにて聴いたのか?記憶が定かではありません。
彼女の来日ライブに2度足を運んでいます。
大きなホールやジャズクラブではなく、50名も入ればギュウギュウの満席になってしまうジャズクラブで、とても身近に感じることが出来るスペース。
私が聴きに行ったライブの際、既に80歳を超えていた彼女ですが、味のある素敵な歌声だったことを覚えています。
余裕があり自然体で、歌詞の解釈が深く伝わってきます。
ヴォーカリストとはこうあるべきなんだな~と強く感じる時間でもありました。
その際に聴いたのか?その後彼女のアルバムにて聴いたのか?定かではありませんが、彼女の歌声にてこの曲を知ることとなりました。
元々はブラジルの曲でアントニオ・カルロスジョビンによって1958年に書かれた曲。
オリジナルは「Estrada Branca」ポルトガル語の歌詞がつけられています。
「白い路」との邦題がつけられ、失った愛について歌われています。
全てが色を失った世界、そんな道をひとり歩いていく哀しみや寂しさが描かれています。
その後、1968年に英語の歌詞がつけられ、フランクシナトラがアントニオカルロスジョビンと共に録音を行っています。
ブラジル音楽は数多く英語の歌詞をつけられ歌われていますが、オリジナル歌詞の内容に限りなく近いものと、まったく違うものがあり、この曲はまさに後者。
英語の曲名からもわかるように「This Happy Madness」は幸せな心が歌われています。
「♪出会うことはないと思っていたのに 一人ぼっちの悲しみはどこかへ行ってしまったわ
鏡の前で笑顔の自分を見かける セントラルパークを走り抜けていく 子供のころの様にスキップをしている感じ 思いがけない喜び 神様が背中を押してくれたのね 狂おしく恋に落ちる~」とうたわれる歌詞。
まるで景色が見えてくるようです。
公園を走り抜けスキップを感じ、何より鏡に映る笑顔の自分に驚く。
幸せな心が、表面にも出ていて、歌っているだけで幸せのお裾分けを頂いている気持ちになります。
この曲を歌うときはいつも心が弾みます。
'17.5.4 ♪ひろよ